みなさま、こんばんは。いかがお過ごしでしょうか。
本日のアフリカビジネスTodayはアフリカの新しいインターネット回線に関する記事を2つお届けします。
本日ピックアップした記事は、アフリカの「海底」と「空」という二つの対局する場所からそれぞれにインターネット回線を通す取り組みについて書かれたものです。
Facebook社の取り組みの、アフリカ周辺に長さ37,000キロメートル(22,991マイル)もの巨大な海底ケーブルを構築するための巨大プロジェクトに関する記事、そして、Alphabet社(Google)の取り組みの、気球を使ってインターネット回線を広範囲に共有しようとするプロジェクトについての記事をご紹介します。
ぜひお楽しみください。
記事1:『Facebook is building a huge undersea cable around Africa to boost internet access in the continent』
内容と背景:
本日ははじめに、アフリカ大陸内でのインターネットアクセス向上に向けたFacebook社による取り組みをご紹介します。
記事によるとこの度Facebook社は、China Mobile社、南アフリカのMTN社、フランスのOrange社、英国のVodafone社、また複数のローカルネットワークオペレーターと提携し、2Africaと呼ばれるプロジェクトを進めているようです。このプロジェクトではNokia社の所有するケーブルシステムプロバイダーAlcatel Submarine Networks社に建設を担当してもらう形で、アフリカ周辺に長さ37,000キロメートル(22,991マイル)もの巨大な海底ケーブルを構築しているようです。
Facebook社の話によると、この取り組みの主な目的はアフリカ大陸でのインターネットアクセスを向上させることのようです。同社は5月13日(水)のブログ投稿にて、アフリカ大陸ではその総人口の4分の1強しかインターネットにアクセスしておらず、世界で最もアクセス率の低い大陸だと述べています。
今回の海底ケーブルはアフリカ、中東、欧州地域の23カ国を相互接続させる予定であり、同社は現在アフリカにサービスを提供している全ての海底ケーブルの総ネットワーク容量の約3倍を提供できるようになるとの見解を示しています。
同社は現在アフリカのみならず、紅海と地中海を結ぶ新たな交差点の開発も進めている中で今回の2Africaプロジェクトについて次のように述べています。
「2Africaは、グローバルネットワーク基盤を拡張させるために現在私たちが注力している取り組みの一環だ。私たちは世界中のパートナーと提携し、接続性、容量、柔軟性の観点で業界をリードする海底光ファイバーケーブルを複数構築している。」
記事には、今回のFacebook社の動きは、高成長投資の機会としてアフリカに進出しているシリコンバレー企業からの大陸への関心の高まりを強調するものだとの見解が示されています。これに関して記事では、Twitter社のCEOであるJack Dorsey氏が昨年アフリカへの移住を検討していると述べたことや、Google社が現在アフリカと欧州間にEquianoと名付けた海底ケーブルを構築していること、同じくGoogle社がLoonと呼ばれるユニットを用い高高度の気球により4G回線を地方のコミュニティに配信することを試みていること、またFacebook社が近年太陽光発電で動くドローンを用い遠隔地にインターネットを届ける計画を立てていることなどを紹介しています。
現在のところ、2Africaプロジェクトに対するFacebook社やそのパートナー企業からの投資額は公式には明らかにされていないものの、関係者の話によると10億ドル弱にのぼるのではないかとも言われており、地球の周囲とほぼ等しい長さにも及ぶ今回の海底ケーブルの構築は巨大なプロジェクトと言えます。
連日お伝えしている通り、今回のCovid-19によりアフリカでは様々なセクターにてICTの活用が促進されたことから、今後人口の増加と合わせてインターネットアクセスの需要は確実に高まると予想されます。2Africaプロジェクトの今後の動きに期待したいところです。
関連記事:
- 「Building a transformative subsea cable to better connect Africa」–Link
- 「Facebook, telcos to build huge subsea cable for Africa and Middle East」–Link
- 「Faster Internet Coming to Africa With Facebook’s $1 Billion Cable」–Link
記事2:『Loon signs deal to expand commercial internet service to Mozambique』
内容と背景:
「ルーンサイン、商用インターネットサービスをモザンビークに拡大」
今までに何度かこの記事でも紹介してきましたが、ケニアでバルーンを使ってインターネットサービスを供給している「ルーン」というプロジェクトはご存知でしょうか。
これは、Alphabet社(Google)のLoon Projectのことで、最近のCOVID-19への対応としてケニア政府からの正式な指示により、ケニアの農村部にてインターネット供給を始めたことで、大きな注目が集まっています。
そこでこのプロジェクトの範囲をさらに拡大して、大手モバイルサービス会社であるVodacomと新たな契約を結び、モザンビークに拡大することになりました。
今回はその記事についてのご紹介です。
Loonがインターネットを提供する方法は、風船を非常に高い高度に飛ばし、風船を効果的にタワーの役割に変える無線装置を提供することです。地上のセルタワーよりもはるかに広いエリアをカバーでき、地上のタワーを建設するためのコストやアクセスが困難なために困難なエリアにアクセスすることができます。
モザンビークでは、Loonソリューションを使用して、地理的エリアと低い人口密度のために過去にカバーすることが困難であった2つの地域であるカボデルガドとニアサ州へのモバイルネットワークアクセスを拡大します。 Loonソリューションは、データ、音声、SMS、USSDをサポートする4Gサービスを提供し、モバイル金融サービスにも利用することが可能です。このサービスは、標準の4G-VoLTE対応のハンドセットとSIMカードを備えたすべてのVodacom加入者が利用できます。ユーザーはサービスに接続するために特別なことをする必要はありません。Link
このようにモザンビークへの進出を決めたこのプロジェクトですが、今後の見通しとしては、モザンビークとケニアの距離が近いため、両方のエリアでこの気球を共有することでより効率化が図れると言います。この記事ではこの2カ国間でのパートナーシップを追求することが必要になるというように書かれています。
過去の記事でもこのLoonについての取り組みが紹介されていますので、ぜひ読んでいただければと思います。
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