みなさま、こんばんは!
さて、本日はアフリカエンタメウィーク第五弾!
記事を通じてアフリカの発展におけるラジオの果たしてきた役割、またその重要性に関して紹介しています。
アフリカ各国での運用事例なども多く含む読み応えのある記事ですので、ご関心のある方は英語の記事本文も合わせてお読みください!
明日もお楽しみに!
記事:「アフリカの発展におけるラジオの役割」
『Radio Promotes Development in Africa』
記事リンク:
https://www.radioworld.com/columns-and-views/guest-commentaries/radio-promotes-development-in-africa
内容と背景:
本日はアフリカンエンタメウィーク第5弾として、アフリカの発展におけるラジオの役割を扱いたいと思います。
リアルタイムな情報を24時間提供するラジオはこれまでインターネットや電話回線、また電気を必要とせず、電池式の手回しラジオがあれば誰でもアクセスできるその手軽さから、生活の中で重要な役割を果たすマスメディアとして世界中の人々に親しまれてきました。
2015年9月に国連総会にて採択された持続可能な開発目標(SDGs)という一連の新しいグローバル目標の実装においても、ラジオの使用は様々なアクターの人々の関与を促し、目標の達成を促進させました。
国際連合教育科学文化機関(UNESCO)は1946年2月13日に国際連合放送が創立されたことを記念して毎年2月13日を世界ラジオデーに制定しているのですが、今年2020年の世界ラジオデーを記念するメッセージの中で国連事務総長Antonio Guterres氏はラジオが強力なコミュニケーションツールであり、開発と平和の促進に重要な役割を果たす低コストな媒体であると、情報源やインスピレーションとしてのラジオの重要性を語っています。
このように世界の発展において重要な役割を果たし、人々に親しまれてきたラジオですが、アフリカでもラジオはガバナンス、開発、社会統合、また平和構築など生活の様々な側面において人々を従事させ、情報を提供するという重要な役割を果たしてきたのです。
こちらの記事では、様々な調査によると地理的範囲が最も広く、聴衆の数も最も多いアフリカではラジオが依然として主要なマスメディアであると記載されています。ラジオはニュースや新しいアイデアを放送し情報を提供することで、人々の家、村、学校、病院、職場などに重要なライフラインを提供しているのです。
また、アフリカではコミュニティや聴衆に人気があり関連性の高いコンテンツを放送するローカルラジオの台頭により、ラジオは長年開発ツールとしての地位をも確立してきました。特に平和構築のためにラジオの活用が成功した事例として、記事の中ではコンゴ民主共和国の事例がいくつか挙げられています。
アフリカで2番目に大きな国土を持つコンゴ民主共和国は何十年もの間紛争に巻き込まれ、現在も紛争が続いています。しかし平和や開発に関する重要な情報を提供してきた国連平和維持ミッションのラジオ局を含む様々なアクターの努力のおかげで現在は徐々に回復に向かいつつあるのです。
また同国で運用され、数百万人ものリスナーを抱えるラジオ放送局Radio Okapiも国の統一、政治的移行の円滑化、そして選挙と和平プロセスへの市民参加に大きく貢献したことで広く認知されています。
Radio Okapiはさらにコロナ禍でも人々に教育を届けようと、在宅を強いられ登校ができなくなっている2,200万人の子供を対象にラジオで教育を提供してきました。これに関してコンゴ民主共和国のユニセフ代表Edouard Beigbeder氏は、遠隔での教育を可能にしているRadio Okapiは子供たちが教育を受ける権利を享受する機会を提供していると同ラジオ局の活動を賞賛しています。
一方、アフリカの他地域ではラジオ番組が貧困との闘いに役立つ効果的なツールになっている事例も挙げられています。
例えばマリではコミュニティのラジオ局放送が貧しい地域での生活を向上させる取り組みに役立っています。マリのラジオ局Daande Douentzaは人口のほとんどが貧しい農民や牧畜業者で構成されている半乾燥地域にて、エンターテイメントとともに開発問題や教育、コミュニティニュースに関する放送を配信しています。
子供の権利保護に取り組む国際NGOであるSave the Childrenによると、同ラジオ局のサービス開始前は地元の農家のわずか6%が木に印をつけ、自然発生する収穫品種を管理していました。しかし、同ラジオ局の放送を通じた農業プログラムの確立以来、その割合は同じ農業グループの中で44%にまで上昇しています。さらにラジオ放送は識字コースへの入学者数を120%にまで増加させたのです。
ここまでご紹介してきたコンゴ民主共和国とマリの事例からおわかりいただけるように、ラジオは特にインターネット環境などインフラが十分に整備されていないアフリカ地域にてマスメディアとして大きな役割を果たしてきました。昨今テクノロジーの進歩により様々なメディアやプラットフォームが登場してきていますが、ラジオは整備環境やコスト面での手軽さから今後も人々のライフライン、また開発ツールとしてのニーズを継続的に満たしていくと考えられます。
今回の記事では公共放送や商業放送よりもアフリカ地域でのコミュニティ放送の役割が重点的に解説されています。上記でご紹介した2カ国の事例の他にも、タンザニアやジンバブエ、またトーゴの事例が詳しく紹介されていますので、ご関心のある方はぜひお読みください!
*この記事は弊社が主体となって運営する、日本・ルワンダビジネスコミュニティ(https://www.japan-rwanda.biz)に投稿した記事と同様の内容となります。