みなさま、こんばんは!
さて、本日はeコマースセクターより、ルワンダで食品配達サービスを提供するVuba Vuba Africaがルワンダ最大の都市の一つであるムサンゼ(Musanze)地区に事業を拡大したというニュース、また2030年までに世界中のすべての学校をインターネットに接続させることを目標に昨年開始されたGigaイニシアチブの一環としてスイスの通信機器メーカーエリクソン(Ericsson)とユニセフ(UNICEF)がパートナーシップを提携しているというニュース、2本をお届けしています。
どちらもすでに面白記事でご紹介している内容と関連する記事ですので、ぜひ過去の面白記事と合わせてお読みください!
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記事1:「ルワンダのVuba Vubaがムサンゼ地区へ事業拡大」
『Vuba Vuba takes food delivery service to Musanze』
記事リンク:
https://www.newtimes.co.rw/business/vuba-vuba-takes-food-delivery-service-musanze
内容と背景:
本日はまずルワンダのeコマースセクターから最新のニュースをお伝えいたします。コロナ禍で人々の外出制限が設けられた事や、アフリカ最大のeコマースユニコーンJumia Foodのルワンダでの事業撤退が影響し、同セクターでは近頃彼らの顧客や占めていたエリアをかけた新たな競争が生まれているようです。そんな中で今回はVuba Vuba Africaの新たな動きをお伝えいたします。
ルワンダで食品配達サービスを提供するVuba Vuba Africaがこの度、ルワンダ北部州のムサンゼ(Musanze)地区に事業拡大を行いました。
昨年12月にルワンダからの事業撤退を表明したナイジェリアのeコマースユニコーンJumia Food Rwandaの元マネージングディレクターであるAlbert Munyabugingo氏率いるVuba Vuba Africaは、Jumia Food Rwandaの元職員とライダーの80%を保持する形で今年1月に操業を開始しました。
Vuba Vuba Africaは創業当初、Vuba Vubaという独自のモバイルアプリを運用し、キガリ市内にて生活必需品から食料品まで様々な商品をレストランやスーパーマーケットから消費者の手元まで配達するサービスを提供していました。
今回同社がルワンダ最大の都市の一つであり、観光の中心地でもあるムサンゼ地区へ事業を拡大したことにより、地元の住民のみならずキガリ市外に滞在する観光客も配達サービスを利用できるようになります。さらに記事によると今回の事業拡大によりムサンゼ地区では商品の配達サービスに加え、MTN smartphone Market Musanzeを通じた通信サービスも利用できるようになったようです。
Munyabugingo氏は昨今、消費者は大部分の時間をオンラインで費やしており、事業主らはソーシャルメディアやオンラインプラットフォームの影響力増大をうまく利用したいと考えていると述べており、今回の事業拡大がムサンゼ市場のポテンシャルに目をつけた上での動きであることがうかがえます。
アフリカでオンライン事業を展開するにはインフラの未整備やインターネット普及率の低さなど様々な障害があり、Jumia Foodも事業の黒字化を果たせず昨年12月にルワンダを含むアフリカ3カ国からの事業撤退を行うに至りました。
関連記事に載せた記事によるとVuba Vuba Africaの運用するアプリはルワンダで使用されることを考慮して現地で開発されているため、ユーザーフレンドリーなアプリとなっているようです。またクライアントの購買力に焦点を当て、多様なマーケティングコンセプトのもと事業を展開しているようです。
同社がJumia時代の経験を生かし、事業をさらに成長させ収益化を達成することができるのか、今後の動向に注目したいところです。
記事冒頭でもお伝えしましたが、Jumiaの撤退後、同分野での覇権争いが活発化しています。関連記事には同様に国内のカフェと提携し、モバイルアプリを通じた商品の配達サービスを行うルワンダのテック系スタートアップBifata Ltdのビジネス事例を紹介している記事を2番目に載せています。ご関心のある方はぜひお読みください。
関連記事:
- 「Former Jumia staff sets up food delivery services」–Link
- 「Trends shaping food delivery business; city café partners with tech startup」–Link
- 「面白記事 v.30(投稿:2020年5月6日) 記事1」–Link
- 「面白記事 v.66(投稿:2020年6月23日) 記事1」–Link
- 「コラム – Vol. 6: アフリカ物流市場のマーケットポテンシャルとは?」–Link
記事2:『Gigaイニシアチブの一環としてEricssonとUNICEFがパートナーシップを提携』
「Ericsson, UNICEF launch global partnership to map internet connectivity in schools」
記事リンク:
内容と背景:
続いてはインターネット接続に関するニュースをお伝えいたします。
スウェーデンの通信機器メーカーであるエリクソン(Ericsson)とユニセフ(UNICEF)が、Gigaイニシアチブの一環として2023年末までに35カ国で学校の接続をマッピングすることを目指し、昨年末からパートナーシップを結んでいます。今回はその取り組みに関してご紹介していきます。
Gigaイニシアチブとは2030年までに世界中のすべての学校をインターネットに接続させることを目標に、2019年に国際電気通信連合(以下:ITU)とユニセフにより、マッピング、接続、ファイナンス、エンパワーの4つの柱のもと開始されたイニシアチブです。以前面白記事でもご紹介しましたが、アフリカ地域でのイニシアチブ実装を主導する役割を担う国としてルワンダが選出されています。
エリクソンはパートナーシップを通じて資金に加え、データエンジニアリングとデータサイエンスに関するリソースを提供し、イニシアチブの一つ目の柱であるマッピング分野にて支援を行ってきました。同社は最終的にはリアルタイムでの学校接続データの収集、検証、分析、監視、視覚的表現を通じて全てのフェーズにおいてGigaイニシアチブをサポートするソリューションの開発を目指しており、Gigaイニシアチブの目標を前進させるため、その広範な顧客基盤をも活用しています。学校接続データの視覚化はGigaイニシアチブが需要を集約し、政府や民間セクターと協力して継続的に資金を調達するのを手助けする役割を果たすと考えられます。
エリクソンのサステイナビリティおよび企業責任担当副社長であるHeather Johnson氏は、エリクソンはその熟練したテクノロジーノウハウを用いてインターネット接続問題に対しユニークなアプローチを実施できると述べ、パートナーシップ提携を通じた課題への貢献を主張しています。
Gigaイニシアチブは東アフリカ地域ではルワンダ、ケニア、ウガンダ政府と協働して学校の接続をリアルタイムでマッピングし、インターネット接続を手頃な価格で持続可能なものにするビジネスモデルの開発を行っています。また同イニシアチブは、ケニアでは能力ベースに基づく新しいカリキュラムの導入とともに展開される教育用デジタル公共財の開発をも支援しています。
ITUによると現在インターネットにアクセスできない状態にいる若者は世界で3億6千万人に上り、その結果教育へのアクセスが阻害されているケースも少なくありません。
昨今のコロナウイルスの発生により学校が閉鎖され遠隔学習の必要性が高まっている地域では、インターネットアクセスの有無が教育へのアクセスに直結するといっても過言ではない状況が発生しています。
エリクソンとユニセフによるパートナーシップがGigaイニシアチブの実装を促進し、学校でのインターネット接続が向上することにより、情報、機会、選択へのアクセスが高まり、何世代にもわたる若者が自分の未来を形作ることができるようになることを願ってやみません。
関連記事には以前Gigaイニシアチブに関して扱った面白記事を載せていますので、ぜひ合わせてお読みください。
関連記事:
- 「Giga – A journey to break down the digital divide」–Link
- 「GIGA: A look at the new partnership to develop digital inclusion」–Link
- 「アフリカの教育業界×ICTに関する話題(面白記事 Vol. 59)記事2」–Link
- 「コラム – Vol. 3:シリコンバレー発テック企業らによるアフリカ大陸でのネットインフラ構築;アフリカ諸国が彼らと協働すべき方法とは」–Link
*この記事は弊社が主体となって運営する、日本・ルワンダビジネスコミュニティ(https://www.japan-rwanda.biz)に投稿した記事と同様の内容となります。