みなさま、こんばんは!
本日、火曜日はアフリカの農業セクターに関連した話題をお伝えいたします。
記事を通じて、最先端テクノロジーを活用し、アフリカの農業エコシステムを変革させようとするマイクロソフトと「アフリカ緑の革命のための同盟(AGRA)」のパートナーシップによる取り組みをご紹介しています。
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記事:「マイクロソフトがAGRAとのパートナーシップを強化」
Microsoft reaffirms its commitment to the Alliance for a Green Revolution in Africa to support digital transformation in agriculture
内容と背景:
本日は最先端テクノロジーを活用してアフリカの農業エコシステムを変革させようとする最新の動きをご紹介いたします。
この度、米国のソフトウエア会社であるマイクロソフト(Microsoft)が4Afrikaイニシアチブを通じて農業分野における技術ソリューションを共同で開発するために、ケニアに本拠を置くアフリカの農業振興団体「アフリカ緑の革命のための同盟」(以下:AGRA)との新たなパートナーシップを発表しました。
マイクロソフトはアフリカ大陸でのインターネットへの手頃なアクセスの提供、熟練した労働力の育成、また地域のテクノロジーソリューションへの投資に焦点を当て、2013年より4Afrikaイニシアチブを開始させており、2019年に開催されたアフリカの緑の革命フォーラム(AGRF)では初めてAGRAとのコラボレーションを発表しました。
このコラボレーションのもと、マイクロソフトの4AfrikaイニシアチブとAGRAはこれまでケニア農業省との協力に基づき、農民を支援するためのチャットボット(KuzaBot)の開発や、コロナウイルスへの対応措置として食料安全保障対策室の設置などを実施してきました。さらにこのコラボレーションではケニア国立ポテト評議会(NPCK)、東アフリカ農民連盟(EAFF)、東アフリカ穀物評議会(EAGC)、地域開発研究所(LDRI)、またケニアのテクノロジー企業であるAmtech Technologiesなど、AGRAの助成対象である国立の組織や民間企業にも初期支援を提供してきました。
今回のパートナーシップは上記のコラボレーションに続くものであり、2021年までに11カ国にて3,000万世帯の食料安全保障を改善するという目標を掲げています。マイクロソフトは引き続きパートナーシップを通じたケニア政府との協力のもと、AGRAのデジタルトランスフォーメーションにおけるビッグデータとAIの活用、またナイジェリア、ルワンダ、ガーナ、タンザニア、ウガンダ、マラウイ、エチオピアといった周辺国へのソリューションの普及拡大をサポートしていくものとみられます。
記事では具体的に今回発表された新たなパートナーシップでは、ビッグデータとAI活用の模索によるAGRAの助成対象者へのさらなる支援、既存のマイクロソフトプログラムの活用によるAGRAへのスキル開発サポート、またAGRAプログラムをサポートするテクノロジーソリューションの共同設計と開発が提供されると紹介されています。
労働人口の約6割が従事していると言われ、経済におけるその重要性がたびたび強調されてきているアフリカの農業セクターですが、非効率である伝統的な農法による低い生産性や、農民の低い農業リテラシーなど未だ多くの課題を抱えているのが現状となっています。これらの課題を解決するためには単に高度な技術の提供だけではなく、地域農民が直面している課題を正確に把握し、ニーズに合ったソリューションを開発する力も重要となってくるため、今回のパートナーシップを始め、官民を超えた組織間の連携による包括的なアプローチは必要不可欠と考えられます。
面白記事でもご紹介してきた東アフリカの農業セクターを脅かしているサバクトビバッタや、食料のサプライチェーン網を混乱させているコロナウイルスの影響により、アフリカでの食料安全保障が危惧されている中、今回のパートナーシップが来年度までに掲げている目標を達成し、農業エコシステムの変革に寄与することができるのか、今後の動向にも注目したいところです。
関連記事:
「アフリカの農業セクターを脅かすバッタの大群と深刻な干ばつ(面白記事 Vol. 87)」–Link
*この記事は弊社が主体となって運営する、日本・ルワンダビジネスコミュニティ(https://www.japan-rwanda.biz)に投稿した記事と同様の内容となります。