みなさま、こんばんは!
いかがお過ごしでしょうか。
さて、本日はCovid-19がアフリカのスタートアップ市場に与えている影響、またCovid-19により需要が高まっているルワンダのドローン市場での新たな動きに関する記事を2本お届けいたします!
それでは明日もどうぞご期待ください!
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記事1:『African Startup Funding Suffered A 57% Slump In Q1 2020 Due To COVID-19』
記事リンク:https://weetracker.com/2020/04/02/african-startup-funding-slump-due-to-covid-19/
内容と背景:
世界中で猛威を振るっているCOVID-19のパンデミックですが、この影響によりアフリカのスタートアップ資金が2020年第1四半期に57%の不況に見舞われました。
2020年第1四半期に、開示されたアフリカのスタートアップの資金調達額は合計で245.13百万ドル。 発表された取引の数は、インキュベーター、助成金、賞金からの資金調達を含め、86件でした。
前四半期(2019年第4四半期)、アフリカの新興企業は合計109件の発表済み取引で、開示された資金調達で576.98百万米ドルを調達しました。 どうやら、調達額と記録された取引の数は前四半期比で減少しているようです。(記事内では、この数字がグラフで示されています。)
2020年2月は、COVID-19が拡がるまでに総額136.58百万ドルが調達されるとの予想がされていましたが、3月は、わずか16.03百万ドルが調達されただけでかなり深刻な影響を被りました。明らかに、COVID-19の影響により、投資家や創設者は資金調達表や予測を再検討する必要に迫られており、取引の発表についても明らかに減少しています。
このような現状について、この記事では各分野関係者の様々な意見が紹介されています。コロナウィルスの影響を感じさせるコメントもあれば、自社への投資家のこれまでの理解もあり、影響が大きくないという意見もあります。
その意見の一つは、ベンチャーズプラットフォームの創設者であるコラアイナは、
「COVID-19は世界中で資金調達活動を大幅に減速させています。そのため、アフリカの新興企業もこの傾向の影響を受けていると言っても過言ではありません。投資家は現在、どのように、どこに資本を配分するかを再評価しています。」と語り、アフリカのスタートアップは資金調達に苦労するだろうという考えを述べたようです。
しかしその一方で、タンザニアのフィンテック新興企業NALAの創設者兼CEOであるベンジャミンフェルナンデスは、「資金は必ずしも枯渇しているわけではありません」と語り、 「たとえば、NALAの場合、資金調達のインバウンドリクエストが増加しています。人々は私たちの指標を知っているため、一部の企業への投資を増やしたいと考えています。」という前向きな考えを述べています。
様々な面でネガティブな影響を与えているCOVID-19のパンデミックですが、ウイルス終息後の経済的な被害は予想がつかないところまでも及んでいるようです。しかし、こちらの記事でも紹介してきた、特にこの状況に適応している分野(Fintech関連や教育)でのソリューションを提供する企業に関してはもしかしたらむしろプラスの影響もみられるのかもしれません。
ただ、一般的には、今まで上り調子であったアフリカのスタートアップ資金も同様に、苦しい状況に陥っていることが分かりました。このような困難を乗り越えて、これからどんな企業が誕生していくのか、こちらも予想がつかない状況です。
記事2:『Rwanda expands drone use to deliver medicine』
記事リンク:
続いて、ルワンダでのドローン産業に関する話題です。
ルワンダでは未だ未整備であるサプライチェーン網と、雨季に顕著な遠隔地の悪い道路状態を含む貧弱な交通網が相まって医療にアクセスできない人が多い状態にあります。そんな中、アメリカのロボット工学を専門とするスタートアップ企業Zipline社は、2016年よりルワンダにて遠隔地の病院向けにドローンを用いた医療用の血液輸送サービスの展開を開始し、2019年9月時点で20,000もの輸送を行ってきました。
そこで、今回の記事ではCovid-19感染拡大防止のために行われていた公共交通機関の制限と全国的なロックダウンによるルワンダでの医薬品輸送ニーズの高まりを受け、Zipline社が展開を始めた新たな取り組みをご紹介します。
この度Zipline社は、輸送サービスの対象製品を従来の医療用血液に加え、非感染性疾患の薬にも拡大しました。病院がドローンによる薬の提供を受けるフローは至って簡潔で、携帯電話からテキストメッセージまたは電話で注文を行い、ドローンの落下した製品を受け取るのみとなっています。薬は小さな箱に詰められ、GPSを使用し配達が行われるようです。現在は病院だけでなく患者の自宅へ届けることも可能であると記事には書かれています。
経口化学療法治療を専門とするButaro癌病院の癌患者が先月初めてドローンによる薬の提供を受け、ルワンダ生物医学センター(RBC)のデータによると、これまでに計18名の患者がドローンによる経口化学療法治療を受けてきました。
RBCの癌部門の責任者であるMarc Hagenimana氏はドローンの活用に期待し、記事のインタビューに対して次のように述べています。
「Covid-19の影響により多くの人々が薬へアクセスできない状態にある中、ドローンは全ての紹介病院、教育病院、42の地方病院へ緊急配送用の薬を届けるため常に待機しています。ドローン輸送の活用により全国の病院へ必要不可欠な全ての薬を届けられ、人命救助薬へのより迅速で効率的なアクセスが保証されることを期待しています。」
加えて、Hagenimana氏は次のようにも述べています。
「公共交通機関が制限されていたルワンダでは、全ての病院に薬を届けるために専用のバスが設けられていましたが、多くの患者は病院や薬局へ向かうために同じバスを使用していた状態であり、バスへの大きな負担が生じていました。また、首都キガリから西部州の都市ルシジまでは250キロもの距離があり、10キロにも満たない医薬品の配送に多大な費用と時間がかかっている状況でした。ドローンの活用により、低コストおよび短時間での配送が実現できるでしょう。」
ルワンダでは5月5日以降ロックダウンが一旦解除され、県をまたいでの移動は禁止という条件で、バイクタクシーや自転車タクシーを除く公共交通機関の再開が発表されましたが、記事ではHagenimana氏が今後ドローンによるワクチンの配送にも期待していることが記載されているように、ドローンの活用には今後も注目が集まりそうです。