皆さまこんにちは!
ここまで今年の記事はお楽しみいただいていますでしょうか?
今週(先週も含め)もいくつかの面白いと思う記事を選んでみました。少しでも楽しい読み物になればと思います!
どうぞお楽しみください!
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記事1:『This electric motorcycle startup is transforming the Rwandan taxi industry』
内容と背景:
多くの途上国で浸透している交通手段のひとつであるバイクタクシー。ルワンダでもバイクタクシーは「モト」と呼ばれ、その価格面での手軽さ故に国民にとって欠かせない交通手段のひとつとなっています。今回はそのルワンダのモト業界に革命を起こそうと、あるルワンダ企業が取り組んでいる事業に関する記事をご紹介します。
記事によると、現在ルワンダで主に使用されているガソリンバイクは大量の燃料を消費するため、モトで生計を立てている通常のドライバーであれば、燃料代やバイクの維持費を差し引いて1日1.8ドルの儲けを得るので精一杯であるとのこと。そこで記事では、ルワンダのスタートアップ企業Ampersand社が2019年5月から取り組んでいる、より安価でしかも環境に優しい電動バイクの生産事業が紹介されています。この電動バイクの使用により、燃料代だけでドライバーは年間650-700ドルも節約ができるようになると述べられています。さらに、2019年8月にはルワンダのポール・カガメ大統領が国全体でガソリンから電動バイクへ移行する計画を立てていることを発表しているとのこと。
記事の最後で紹介されているように、交通手段としてのバイクタクシーは東アフリカだけで年間140億ドルもの産業になると言われています。今後同社がシェアを拡大し政府の期待に応え、世界的なEV化の波にのることができるのか注目です。
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関連記事
- 「Rwandan sustainable mobility providers get global recognition」– Link
- 「ELECTRIC MOTORCYCLE STARTUP AMPERSAND IS TRANSFORMING THE RWANDAN TAXI INDUSTRY」 – Link
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記事2:『Why the tech sector needs to re-gear its approach to innovation』
内容と背景:
次にご紹介するのは、グローバル金融サービス会社であるMastercard社の中東・アフリカ地域でのデジタル決済を担当する上級副社長Gaurang Shah氏へのインタビューを通じて、テクノロジー部門において企業がアフリカ市場で指数関数的なイノベーションを引き起こすための手法を分析している記事です。
記事では同社がアフリカで展開するQR決済サービスを例にあげながら、指数関数的なイノベーション創出のための「三方アプローチ」を紹介しています。
ボリューミーな記事ですが、アフリカでイノベーションを通じた社会課題の解決にご関心のある方はぜひお読みください。
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関連記事:
- 「Mastercard Foundation awards $40k grant funding to 12 African ed-tech startups」– Link
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記事3:『The Catapulters: A Conversation with Steve Shema, Founder and CEO of Exuus』
内容と背景:
今回はルクセンブルク発のDigital FinTechプラットフォームを運営する「the LHoFT Foundation」が2018年から行なっている、「Catapult: Inclusion Africa」という1週間のFinTech系スタートアップ向けのイベントに参加したスタートアップのFounderに対して行うインタビューで今回はルワンダのExuus社の代表であるSteve Shemaさんがインタビューを受けている記事を。
スタートアップを立ち上げたきっかけ、そして会社を発展させる上でその根本にある考え、そして、これからスタートアップを立ち上げようと考えている方々に対してのアドバイスなをも書かれています。
短いインタビューですが、一つのきっかけに!
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記事4:『African American investors to invest UGX. 1trillion in Uganda』
記事リンク:https://www.pmldaily.com/business/2020/02/88674.html
内容と背景:
「Brain Drain」に代表されるように、アフリカ出身の優秀な人材が自国以外の国に活躍の場を求め、あるいは引き抜かれることは少なくなく、アフリカの抱える一つの課題伴っています。そんな中、そのような形で海外に行った人たちだけでなく、そのほかの様々な理由で海外で生活をしている人たちのアフリカに物理的に戻ることだけでなく、何かしらの形で母国の発展に関わろうとする動きも活発化しているようです。「Diaspora(ディアスポラ)」と呼ばれる彼らのアフリカ経済への貢献も今や国の発展に大きなインパクトを残しているようです(2010年には約400億ドル、単純計算約4兆円もの金額が海外にでたDiaspora から本国へと送金されたようです)。
そんな中でこの記事、アメリカはカリフォルニアを中心に生活しているアフリカからの移民に対して呼びかけ、30億ドル(約3000億円)をウガンダの医療と不動産業に投資することに決めたようです。そのためにグループでウガンダを訪問し大統領などの政府関係者とも会談し、世界各国に散らばるウガンダ人コミュニティーに対しても同活動への賛同を呼びかけているという今回の記事。そして
アフリカの発展において、他国からの投資や、多国籍企業の進出などに話題が偏りがちですが、メインストリームではなかったかもしれない新たなアフリカ投資・進出・ビジネスの競争相手になるとともに、アフリカで起きているビジネス関連の流れを測る指標になりそうです。
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記事5:『Africa’s venture space attracts global interest』
記事リンク:https://atlanticcouncil.org/blogs/africasource/africas-venture-space-attracts-global-interest/
内容と背景:
アフリカに多くの投資が集まっていることは何度かこちらの面白記事シリーズでも取り上げてきましたが、今回はもう少し踏み込み、どのような形の投資なのかという記事を。
VCと言われる投資会社が様々な企業や個人から投資資金を募り投資先を決めるという形の投資が一般的に行え割れてきましたが、この記事では、それだけでなく、CVC(Corporate Venture Capital)と言われる個々の企業などがそれぞれのビジネスや事業に合った、近い、新市場進出の手がかりとすることのできる事業を行なっているスタートアップなどに直接投資するというものが大きな役割を担うだろうという記事。買収や合併などよりは拘束力がないが、企業が新市場や新技術に対して行わなければいけないかもしれない初期投資や調査などを省略できることや似た方向性を最初から共有できているということなどがこの投資の形のプラス要因のようです。
また、それだけでなく、中東の国々を中心とした、政府機関が投資を行うSovereign Wealth Fundもここ最近ではよく見られます。
日本からもトヨタ自動車やヤマハ、ソフトバンクの例なども共有されています。
どのような形でアフリカのマーケットに進出していくのか選択肢が増えているので、自事業や自社のアプローチに近いものの選択など考慮・参考にできる記事です。
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関連記事:
- 「Toyota is making a small bet on a big opportunity in African mobility startups」 – Link
- 「MAX.ng raises $7M round backed by Yamaha and pilots EVs in Nigeria」 – Link
- 「UPDATE 1-Airtel Africa raises $1.25 bln from SoftBank, five other investors」 – Link
- 「African Startups Raised $1.34 Billion In 2019」 – Link