みなさん、こんばんは!
今週も週末を迎えました。少しでも楽しいものになるといいですね!
さて、今回はそんな思いもあり、アフリカでの観光業にスコープを当ててみました。
観光業は結構打撃を受けている分野ですが、そこからどのようにそれぞれの国々が立ち直ろうとしているのかなども共有していますので、是非お楽しみください。
また、明日は、今度から隔週間隔でお届けすることになりました、コラムの第2弾を配信します!
そちらもお楽しみに!
記事:『How COVID-19 is destroying Africa’s tourism industry』
記事リンク:https://www.dw.com/en/how-covid-19-is-destroying-africas-tourism-industry/a-53407678
内容と背景:お次は、COVID-19がアフリカの観光産業にどのような影響を及ぼしているのかについて書かれた記事についてご紹介します。
2020年の初めまでは、観光産業はアフリカ大陸のなかで2番目に急成長している産業で、その利益は数10億ドルに上ると予測されていました。しかし、COVID-19の影響により、観光客が激減し、業界は突然停止しました。
US Travel Association(全米旅行産業協会)の発表によると、COVID-19のパンデミックの影響により、アメリカにおける旅行関連の失業者が800万人(5月1日時点)、旅行業界全体の失業率は51%と大恐慌の最悪の年の失業率の2倍を超えた。ということが報告されています。link
もちろん、アメリカだけではなく、観光産業への打撃はアフリカにも大きく拡がっています。
ご紹介しているこの記事では、ガーナを中心とした旅行会社を運営しているツアーオペレーターのとある男性にインタビューをしています。彼の在籍する会社は、西アフリカのいくつかの国で年間7つのツアーを運営していますが、今回の影響により、6つのツアーをキャンセルすることになると、彼の代理店はその年の残りの期間は休業せざるを得なくなり、少なくとも20人のツアーガイドと他のスタッフが失業するといいます。
また観光産業の低迷によって、アフリカでは、動物の保全活動にも影響が出てきているそうです。ビクトリア湖のほとりにあるウガンダ野生生物保護教育センターでは、伝統的に、ライオン、キリン、シロサイ、チンパンジーを所有し、保護しています。この施設には、52種の291頭以上の個別の動物が飼育されており、そのすべてに給餌と獣医によるケアが必要ですが、そのための資金を確保するのが難しい状況にあるといいます。
最後にこれらの影響について、ガーナ大学ビジネススクールの教授は、「このパンデミックはアフリカの観光産業の本当の弱点を浮き彫りにする。」ということをコメントしています。
「アフリカの観光会社の多くは中小企業であるため、グローバルな危機を乗り切ること困難であり、アフリカ諸国の観光産業は西洋に過度に依存している状況が、COVID−19によって浮き彫りになったのではないか。今では国内観光だけでなく、アフリカ諸国全体で観光業を構築することへの要求が高まっている。」ということを述べていました。
CNN Travelの記事によると、世界の観光産業がCOVID-19の影響から回復するには、少なくとも10か月かかるとされ、アフリカの市場はそれよりももっと長引くだろうと書かれています。しかし、南アフリカなどの一部の国では、COVID-19後の時代に観光を後押しするための新しい政策がすでに戦略化されているようです。Link
ポストCOVIDにどのように対応するのか、それぞれの国の対応に任せるだけではそれに従事する人々の生活までしっかり守れるのかどうか不安が残ります。上述したようなガーナ大学の教授のコメントにもあったように、アフリカが一丸となって観光業を構築していくことがこれからは必要になるのかもしれません。
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記事:『Rwanda’s Tourism Seeks Innovative Minds To Recover From Covid-19 Shock』
内容と背景:
では上記の記事に応える形で、観光業界からのニュースを。課題という観点からでは、やはりこのコロナウィルスの影響が落ち着き、治療の確立や薬の開発など、様々な点が絡んでくることから、完全に観光客の数が元に戻るまでには時間がかかることは容易に想像できます。
ただそんな中でも悲観していられません。ルワンダからは観光業でイノベーションに解決策を見出そうとしています。ルワンダ開発局と観光業商工会議所、そしてICT商工会議所とがタッグを組み、昨日6月4日にオンラインでのセミナーを開催し、このような状況下でも観光業を盛り上げることのできるイノベーティブな技術はないのかと話す機会を設けました。デジタル化が完全に定着しているわけではないことから、様々なサービスをそれぞれのステップにてデジタル化をしていき、それらに関するソリューションから、他のデジタル観光業に至るまで、違った形の取り組みを実現するための育成などに繋げる場を作ることを今後の大きな目標にも定めているようです。
また、関連記事にもありますように、ケニアでも観光業の復興に対して取り組んでおり、6月中に様々な環境整備、そして近いうちでの観光業再開に向け、各事業体(ホテルなどの宿泊施設、航空をも含めた移動関連、ガイドサービスを提供している企業・事業体)に対し、再開のための基準を設け野の基準の実現具合をモニタリングしつつ再開に向けて動いていくようです。
同様に南アフリカでも観光業は一つの影響を大きく受けた分野として心配されており、国として慎重に観光業の再開を決めているようです。年内は観光業を再開させることなく、来年の2月ごろからの受け入れの開始を目指しているようです。
またエジプトでは、この機会に国民の国内旅行をすることを進めており、自国の観光資産に興味を持たせようとしています。
こちらの記事でも共有しましたが、世界では、Augmented Reality(AR)として知られる拡張現実方のアプリケーションを活用し、普段できない動物との触れ合いを可能とするイノベーティブなソリューションも登場しています。
この分野が一つのアフリカの魅力を伝える手段であるだけに、どのようにして立ち上がるのかが気になりますし、楽しみなところです。
関連記事:
- 「Kenya’s tourism lobby draws up four ‘opening’ protocols」 – Link
- 「South Africa Has A Cautious Approach To Reopening Tourism」 – Link
- 「The rise of conservation tech in Africa」 – Link
- 「Tech: New App Safari Central Brings Conservation into your Daily Life through Augmented Reality.」 – Link
- 「Internet of Elephants launches Wildeverse, an AR game about endangered animals and conservation」 – Link
*この記事は弊社が主体となって運営する、日本・ルワンダビジネスコミュニティ(https://www.japan-rwanda.biz)に投稿した記事と同様の内容となります。