こんばんは。毎週月曜日はアフリカの教育に関係する記事をご紹介しています。
先月末に、ユネスコのグローバルエデュケーションモニタリングレポートが発刊されました。本日はそのレポートを参考にして、COVID-19がアフリカの教育格差に関してどのくらいの影響をもたらしているのか。ということについて書かれた記事をご紹介します。
今週もそれぞれの分野から選んだ記事をご紹介します。ぜひご期待ください!
記事:「最も前例のない」教育中断の世界
原題:『World in ‘most unprecedented’ disruption of education』
内容と背景:
先月6月23日にユネスコから公式のグローバル教育モニタリングレポートが発刊されました。
本日は、このレポートを参考にして、COVID-19がアフリカの教育格差に関してどのくらいの影響をもたらしているのかについて書かれた記事をご紹介します。
グローバルエデュケーションモニタリング(GME)レポートは、ユネスコが発行するSDGsの教育分野のターゲット達成に向けた取組の進捗状況をとりまとめた年次評価レポートで、今年のテーマは「インクルージョンと教育」になっています。
このレポートの報告によれば、世界は「教育史上、かつてないほどの混乱」に直面しており、全世界の90%以上の生徒が学校閉鎖の影響を受けているといいます。COVID-19の前でも、5 人に1人の子どもが教育から完全に除外された状態であるということが問題視されていましたが、さらに今回、この教育中断という状況によって、さらに多くの学齢期にあたる子ども達の教育機会が阻害されることになってしまいました。
またこの報告書では、サハラ以南のアフリカ諸国のほとんどは、COVID-19による学校の閉鎖中に障害のある生徒などの脆弱な学習者をターゲットにすることに失敗し、地域の教育の不平等を悪化させているということが言及されています。
SDGsの4で掲げられている「質の高い教育をみんなに」を達成するためには依然として高い壁が立ちはだかっていると言えます。今までの教育面での格差が、このCOVID-19によって明るみに出たと言っても過言ではありません。この報告書の中では、エボラ出血熱の危機により、貧困家庭の少女達が、学校に戻れなくなってしまったという事実についても書かれていました。
最後にこの記事では、今回露出した教育格差について、政策立案者・教師・市民社会・教育の指導者など、アフリカの教育における主要な関係者がこの現状を真剣に受け止める必要があるのではないかと述べています。
アフリカの国々でも学校再開の目処が立っているという報告が散見できています。ルワンダは9月頃から再開のようです。誰一人取り残さない平等な教育機会が与えられ、すべての子ども達が学校に戻れることを願っています。
関連記事には、グローバル教育モニタリングレポートのURLも載せています。ダウンロードも可能となっておりますので、ぜひご覧ください。
関連記事:
- Global education monitoring report, 2020: Inclusion and education: all means all –Link
- アフリカ教育現場のコロナにおける影響【面白記事 Vol. 62: 2020年6月18日配信】 –Link