こんばんは。毎週木曜日はアフリカの社会福祉やヘルスケアに関連する記事をピックアップしてお届けします。
本日は「ルワンダのヘルスケア」に関連する記事を2つ選んでご紹介させていただきます。
アフリカの中でもルワンダの国民健康保険の普及は高く評価されていますが、それについて新たな政府の動きを紹介した記事、ルワンダのCOVID-19に対するインドからの支援について書かれた記事の2本です。
明日も違ったテーマでピックアップした記事をご紹介させていただきます。ぜひお楽しみください。
記事1:ルワンダ、財政赤字にも関わらず健康保険の適用範囲の拡大に尽力
『Rwanda Seeks To Increase Health Insurance Coverage Despite Deficit In Funding』
記事リンク:https://taarifa.rw/rwanda-seeks-to-increase-health-insurance-coverage-despite-deficit-in-funding/
内容と背景:
はじめに、ルワンダの健康保険に関するこちらの記事をご紹介します。
ルワンダはアフリカの奇跡とも呼ばれ、ICTを中心とした様々な分野で急速な発展を遂げているということが世界中で評価されていますが、国民の生活を支えるヘルスケアの部分でも高い評価を受けています。
ルワンダ国民の92%が国の健康保険制度の対象となっており、その保険システムは世界で最も成功しているものの1つとして知られています。その健康保険の経費は、3分の2は保険加入者から、3分の1は国の予算から拠出されており、一人当たりの負担額は、最も貧しい市民は無料の健康保険を受ける権利があり、最も裕福な人は毎年成人1人あたり800ドルの保険料を支払うという仕組みになっています。しかし、すべての費用をカバーするには不十分であるため、医療費への資金調達の約53%は外国からの援助から行われているという現状があるようです。Link
この記事では、ルワンダ政府は国民の20%以上がいまだに保険に加入しておらず、それに関連する潜在的な問題がいまだ未解決な状態であるということを問題視していることから、政府は残りの人口が2021年末までに健康保険に加入することを保証するために全国的なキャンペーンを開始する。ということについて書かれています。
ヘルスケア部門における政府の総予算は年々増加している一方、国民一人当たりの拠出額は増加していないため、現在財政が非常に逼迫している状況だということです。しかし、政府は残りの21%国民は医療費を拠出できるであろうと主張し、彼らの貢献があれば1200万人の88%の医療サービスニーズに応えられる国内最大の保険制度へのサポートを強化できると述べています。
この動きを考えるうえで参考になるのが、2019年9月に国連総会の間に米国ニューヨークで開催された国連総会のユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)に関する政治宣言の採択ではないかと思います。これを契機として、ほとんどのアフリカ諸国は、国家保健戦略の目標としてユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)を掲げています。(関連記事に細かい内容を載せていますので、よろしければご覧ください。)
さて、ルワンダでは国民健康保険の啓もうに関して、政府や関係機関はどのようなキャンペーンを行い、国民への意識啓発を行っていくのでしょうか。また、その結果がどのように反映されるのか期待しています。
関連記事:
- Rwanda: the beacon of Universal Health Coverage in Africa – Link
- Universal health coverage in Africa – World Health Organization –Link
- The Abuja Declaration: Ten Years On- Link
記事2:インドのモディ首相、COVID-19との戦いにおけるルワンダ支援を保証
『PM Modi assures Rwanda of India’s support in combating coronavirus』
内容と背景:
お次もルワンダから、医療支援に関するこちらの記事についてご紹介します。
インドのナレンドラ・モディ首相は6月初旬頃、ルワンダのカガメ大統領に対して、ルワンダ国内のCOVID-19のパンデミックと戦うための医療支援をインドが行うということを保証しました。
この記事によると、インドのモディ首相は電話会議の中で、カガメ氏のリーダーシップ下での危機管理と、ルワンダ国民のこのCOVID-19との戦いに対する確固たる決意について高く評価したということです。また、この電話会議では、パンデミックによって彼らのヘルスケアシステムと経済に課された課題について議論がなされ、危機を管理し国民の幸福を確保するために各国で取られた措置についての情報が共有されました。
その後モディ首相は、ツイッターを通してルワンダはインドとアフリカとの関係の重要な柱であり今後もそれは変わらないであろう。ということを述べています。
モディ首相は、2018年のルワンダ訪問以来、二国間関係において達成された進展に満足の意を表明したということです。
ルワンダはICT産業などを通してアフリカ大陸のハブ的な役割を担う国になることが期待されていますが、今回のニュースによって、インドにとってもルワンダは柱的な役割を果たす国であるということが認識されました。このポストCOVID後にこの2国間がどのように連携を強めていくのか、期待してみることができそうです。