Site Loader
お問い合わせ
アフリカ・ルワンダ オフショア開発 / 進出支援コンサルティング
アフリカ・ルワンダ オフショア開発 / 進出支援コンサルティング

みなさま、こんばんは!

さて、本日はアフリカ大陸での農業セクターにおけるコロナウイルスの影響に関して、2本の記事を通してご紹介できればと思います。

まず、南アフリカにて需要の低下や脆弱な価格構造により野菜を生産する農家らが大きな打撃を受けているという記事、またその一方でケニアではオレンジの国内生産需要の増加により農家らが恩恵を受けているという記事を載せています。

今後も金曜日は農業分野を中心に発信できればと考えています。様々な角度から焦点を当てて取り上げていきたいと思いますので、みなさまお楽しみに!

**********

記事1:『正当でない南アフリカの野菜価格構造』

「‘No justification for vegetable pricing structure in South Africa’」

記事リンク:

https://www.freshplaza.com/article/9224090/no-justification-for-vegetable-pricing-structure-in-south-africa/

内容と背景:

本日はまずはじめに南アフリカから農業分野に関する話題です。

南アフリカではコロナウイルスの影響によるサプライチェーン内での購買力低下、また正当でない野菜価格構造により、野菜生産者らが大きな打撃を受けているようです。

ピーマン、ブロッコリー、カリフラワー、赤キャベツ、インゲン豆などを生産し、南アフリカのハウテン州にて野菜農家を営む Eric Mauwane氏の話によると、コロナウイルス発生後、新鮮な農産物の市場からの買取価格が大幅に下落しているようです。彼はさらに小売業者は低価格で農家から農産物を購入しているにもかかわらず、未だその先の市場では通常の価格で販売されていると、生産側にとって不公平な現状を嘆いています。

南アフリカ政府はCOVID-19農業災害募金を通じて農家らを支援していますが、Mauwane氏の話によると、正当でない野菜価格構造により労働者らへの支払いや次の植林サイクルへの準備が困難となっている厳しい現状に対して、その支援は十分でないようです。彼はまた生産側にとって不公平な現状に関して、一部の商業農家らは競争委員会に対して異議を申し立てる予定だと述べています。

これらの現状に対して南アフリカの National Agricultural Marketing Council (NAMC) のチーフエコノミスト、Siifiso Ntombela博士は、特定の農産物について一部の農家が受け取っている低価格は、価格伝達の関数であり、生鮮食品市場での総需要減少に起因していると述べています。彼はまた高い供給能力と低い需要が価格を抑制し結果として農家や生鮮食品市場を苦しめている一方、小売業者は一元化された流通システムを備えており、供給を制御できるため、価格を比較的高く保つことができていると述べています。

小売業者や食品加工業者らは冷蔵手段などを保持しているため、供給を管理および調整できますが、多くが低所得者層に当たる農家らはそのようなソリューションを持たず今回のコロナウイルスのような緊急事態の影響を受けやすいと考えられます。政府は業界構造をきちんと把握し、その構造改革や十分な資金援助などを通じて農家らに対してサポートを実施することが必要となってくるのではないでしょうか。


記事2:『コロナ危機によるケニアでのオレンジ生産ブーム』

「Corona-crisis creates boom for Kenyan orange growers」

記事リンク:https://www.freshplaza.com/article/9224102/corona-crisis-creates-boom-for-kenyan-orange-growers/

続いても、ケニアから農業分野に関する話題です。

上記ではコロナウイルスにより南アフリカにて農家が打撃を受けているといった話題をご紹介しました。一方でこちらの記事では、今回発生したコロナウイルスによりケニアにて国内産オレンジの需要が急激に高まっているという好転的な話題が紹介されています。

パンデミックが発生する前は、ケニア国内で消費される果物のほとんどが隣国のタンザニアから大量に運ばれ、市場で供給過剰な状態に陥っていました。しかし、コロナウイルスの感染拡大防止への対応措置として、感染の有無を確認するテストの実施を含む国境地帯における政府による規制は食品の輸入を減少させ、結果として国内での生産ブームを巻き起こしたのです。

ケニア国内にてオレンジを生産しているMuthama氏も記事のインタビューに対し、より遠隔な地域から農場を訪れるバイヤーが従来と比較し増加したと述べています。さらにコロナ状況下で食品生産者、トレーダー、また輸送業者の3者が必要不可欠なサービスプロバイダーとして分類されたこともオレンジビジネスの繁栄を助長させたと述べています。

アフリカ諸国では労働人口に対する農業従事者が約60%と他の地域と比較しその割合が高いこともあり、こちらの記事でご紹介したオレンジの事例のように国内での生産需要が高まれば消費者のみならず多くの生産者も収入向上という形でその恩恵を受けることができます。一方で今回の事例ではタンザニアに当たる、従来多くの生産量を国外へと輸出してきた作物の生産者にとっては今回のコロナウイルスは好ましくない状況となったのではないでしょうか。

本日ご紹介した2本の記事を通じてお判りいただけるように、農業セクターでは生産地域や作物、またプレイヤーごとで状況がそれぞれ変わってくると考えられます。今後も様々な角度からアフリカ諸国での農業分野に関する話題を取り上げていきたいと思います。

関連記事にはアフリカ大陸での農業分野に関して取り上げた過去の面白記事をのせましたので、こちらも合わせてぜひお読みください。

関連記事:

  1. 「Covid-19 crisis stirs boom for orange farmers」Link
  2. 「面白記事 v.31(投稿:2020年5月7日)記事2」Link
  3. 「面白記事 v.40(投稿:2020年5月20日)記事3」Link

*この記事は弊社が主体となって運営する、日本・ルワンダビジネスコミュニティ(https://www.japan-rwanda.biz)に投稿した記事と同様の内容となります。