みなさま、こんばんは!
さて、本日はルワンダにて核化学技術センターの建設が承認されたという記事と、南アフリカ発ソーラーリース企業 Sun Exchange が300万ドルもの資金調達を実施したという記事、2本をご紹介しています!
ぜひお読みください!
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記事1:『ルワンダにて核科学技術センター建設へ』
「Rwanda: Use of Nuclear Technology Gets Green Light」
記事リンク:https://allafrica.com/stories/202006160206.html
内容と背景:
本日はまずはじめに、ルワンダにて核科学技術センターが建設されるというニュースをお届けいたします。
先日6月15日月曜日、ルワンダ下院本会議は投票を実施し、昨年10月24日に調印されたルワンダ国内での核科学技術センターの建設協力におけるロシアとの協定合意を承認する法律を制定しました。このセンターでは将来的にインフラ省が各経済セクターの進歩において有益であると期待する統合された原子力エネルギーソリューションが開発される予定です。
インフラ大臣のClaver Gatete氏によると、ルワンダ政府は平和的な目的で原子力エネルギーの開発に着手しており、今回承認された核科学技術センターの建設はその開発プロセスにおいて不可欠な存在であるようです。政府は将来的には核医学、研究用原子炉実験施設、また農業、教育、放射線生物学、材料科学セクターにおける多目的放射線などの分野において原子力によるソリューションの活用を考えており、センターの設立にはルワンダに核科学技術スキルを提供し、国際的な競争力を持たせる意図があるようです。
今回、ルワンダにて核科学技術センターの建設協力におけるロシアとの協定合意が承認される形となりましたが、一部の議員は依然として懸念を示しています。今回の投票でも賛成票を投じなかった下院議員のFrank Habineza氏は、ルワンダでの人口密度の高さを指摘し、発電所の建設に適した場所がないこと、そして人々の安全が確保できないことを問題視しており、同様に下院議員であるJean Claude Ntezimana氏は、核廃棄物処理が深刻な課題をもたらすだろうと主張しています。両者はセンター建設のもたらすメリットとデメリットを精査すべきと述べています。
この合意に先立って、ルワンダでは原子力関連の教育、人材育成にも力を入れてきており、Gatete氏によると、50名のルワンダ人がロシアで核科学技術の修士レベルや学士レベルで勉強しており、今後その数を20名不安計画であることや、ロシアだけでなくアメリカやヨーロッパ、またアジアにも学生を留学させスキル開発に取り組んでいく計画であるとも話しました。また、この分野の医療での活用に関しても指摘しており、これまで多くの癌患者がインドで治療を行っていて、治療費が嵩むことから、このような人材育成が、将来的にはルワンダでの治療の実現にも繋がるとも話しました。現在はミリタリー病院で約1700ドルで治療を受けられるのに対し、インドで治療を受ける場合は治療費だけで約8700ドル形状するようです。
彼はHabineza氏のあげる住民の安全性という懸念事項に対して、原子炉の建設には国際原子力機関の規制に沿って最先端の技術を用いるため、安全であると主張しています。一方で原子力廃棄物処理に関しては、今後研究を進めていく必要があると述べています。こちらの話題に関しては今後も最新情報をお伝えできればと思います。
記事本文では原子力エネルギーを活用するメリットとしてサプライチェーンや医療、またロジスティクス分野での事例を用い、コスト削減などが実現できると紹介されています。また、今回の記事ではルワンダを取り上げましたが、昨年アフリカーロシア会談で多くの国が原子力関係、また他の分野での協力関係の構築に繋がる合意書を調印しており、今後のロシアとアフリカとの関係性も気になるところです。いくつかの記事を共有していますので、ご関心のある方はぜひ記事本文、そして関連記事もご覧ください。
関連記事:
- 「Inside Rwanda, Russia nuclear deal」–Link
- 「Rwanda parliament ratifies agreement on Russian-supplied nuclear centre」–Link
- 「Russia to set up nuclear power plants in Rwanda」–Link
- 「Opinion: Russia’s opportunistic partnership with Africa」–Link
記事2:『南ア発ソーラーリース企業 Sun Exchange がアフリカ事業拡大のため300万ドルを調達』
「SA P2P solar leasing startup Sun Exchange raises $3m for African expansion」
内容と背景:
続いても南アフリカからエネルギー関連のニュースをお届けいたします。
この度、P2Pのソーラーリース事業を行う南アフリカのスタートアップ企業 Sun Exchange がアフリカ大陸にて市場を拡大させるため、シリーズAラウンドの一環として300万ドルもの資金調達を行いました。
同社は2015年より事業展開を開始しており、世界中の人々が遠隔地にある太陽光エネルギーを生成するセルを所有し、新興市場の学校や企業、またその他の組織に電力を供給できるようになっています。これまでのところ、同社は約160カ国で17,000人以上のメンバーからなるコミュニティを構築し、南アフリカにある合計24の学校、企業、組織に太陽光発電をもたらしています。
同社は実は1年半ほど前からシリーズAとして継続的に様々なソースから資金を調達してきましたが、今回ロンドンを拠点とする新興市場投資アドバイザー ARCH Emerging Markets Partners の助言を受ける、モーリシャスのプライベートエクイティファンド Africa Renewable Power Fund (ARPF) から300万ドルもの投資を受けたことにより、最終的に400万ドルでラウンドを締めくくっています。同社はこれらの資金を利用してソリューションを拡大させ、南アフリカのみならずサハラ以南中心にアフリカ大陸全体へと事業を拡大させるとともに、マーケティングを強化してグローバルユーザーベースを拡大し、ソフトウェアの強化を図るようです。
ARCHのマネージングディレクターである William Barry 氏は次のように述べ、同社の今後に期待を寄せています。
「Sun Exchange はグローバルコミュニティの力を活用して新興市場での分散型太陽光発電の可能性を解き放つ、他に類を見ないプラットフォームを備えており、グローバルエネルギーと経済変革を推進する役目を果たす可能性を十分に秘めています。」
これに対し、Sun Exchange のCEOである Abe Cambridge 氏は次のように述べ、今後に関して意気込みを述べています。
「アフリカ大陸全体で再生可能エネルギーの普及と持続可能性を推進するという共通の情熱をもつ ARCH は私たちにとって完璧なパートナーです。私たちは次の成長フェーズに向けて今回の資金調達を活用し、今後人員の構築、持続可能なクリーンエネルギージョブの形成、また拡大するユーザーベースに対する新たな地域や産業での太陽電池ポートフォリオの多様化機会の提供に取り組んでいきます。」
グローバルコミュニティの力を活用し、地球市民全員で持続可能な社会を形成しようとする同社の取り組みは、昨今ビジネスを行う上で注目度の高いSDGsという観点でも期待値の高い取り組みなのではないでしょうか。持続可能な社会の形成には国際機関や政府だけでなく、民間の力も重要となってくるだけに同社の今後の事業展開に期待したいところです。同社の展開するソーラーリースサービスの具体的な仕組みにご関心のある方はぜひ関連記事もお読みください。
関連記事
「The Sun Exchange raises $3M for crypto-driven solar power in Africa」–Link
*この記事は弊社が主体となって運営する、日本・ルワンダビジネスコミュニティ(https://www.japan-rwanda.biz)に投稿した記事と同様の内容となります。