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アフリカ・ルワンダ オフショア開発 / 進出支援コンサルティング
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みなさん、こんばんは。

毎週木曜日はアフリカのヘルスケアに関する記事を選んでご紹介しています。

本日は、マラウィがサッカーのトーナメントを利用してHIV検査プロジェクトを推進したことに関しての記事と、南アフリカからコロナ渦でのメンタルヘルスの課題について示した記事の2つをご紹介します。

ぜひ最後までお読みください!


記事1:マラウィ、「サッカーで動く」HIV検査が30%に増加

HIV testing ‘powered by football’ increase to 30 per cent

記事リンク:https://www.scidev.net/sub-saharan-africa/hiv-aids/news/hiv-testing-powered-by-football-increase-to-30-per-cent.html

内容と背景:

はじめに、マラウィが行っているHIV検査のプロジェクトについて書かれたこちらの記事をご紹介します。

マラウイの若者の間でHIV自己診断を奨励するために、フットボールのトーナメントを使用したプロジェクトが行われました。先月発刊されたマラウィのHealth Goals Malawi – Impact Report 2020によると、若者の間でのHIV自己診断テスト受診者が53%から83%に増加したようです。

このプロジェクトは2018年5月に開始され、3年計画でのプロジェクトが実施されています。マラウイでは、HIV / AIDSに関する国連連合プログラムによると、国内の1760万人のうち100万人がHIVと共に生きているというデータが出ています。

このプロジェクトにプログラムマネージャーとして参画しているプリンスチクウェバ氏は、

「以前はHIV自己診断の啓発のために、ラジオとビデオを使用していましたが、それらのメディアのほとんどはあまり成功していませんでした。」というように語り、 今回のプロジェクトについての期待を示しました。

実際に、このプロジェクトでは、サッカートーナメントやアウトリーチミーティングで3,000を超えるHIVセルフテストキットを配布しました。さらに、このセルフテストキットを配るだけでなく、サッカーチームのコーチにもHIV情報について正しい知識を拡げるように訓練を行ったそうです。サッカーチームのコーチは人々から信頼され、若者にとっては家の外の保護者のような存在であることからも、コーチが発信をすることにより、このプロジェクトの効果はより大きくなったと言えます。

前述したHealth Goals Malawi – Impact Report 2020を発刊したLiverpool School of Tropical MedicineのSara Begg氏は、「このプロジェクトが強調していることは、健康と開発の目的のために本当に効果的に活用できる既存のコミュニティ構造があることです。」と述べています。

サッカーはどんな国や地域でも人気のスポーツですが、このように保険分野とも分野横断型でプロジェクトを進めることで相互に、より大きなインパクトを与えることが期待できるようです。

関連記事:

  1. Health Goals Malawi – Impact Report 2020 -Link


記事2:南アフリカ:メンタルヘルスと自殺のヘルプラインへの呼びかけが2倍以上に

South Africa: Calls to Mental Health and Suicide Helplines Have More Than Doubled

記事リンク:https://allafrica.com/stories/202005180387.html

内容と背景:

お次は南アフリカからコロナ渦における自殺のリスクに関して書かれた記事についてご紹介します。

新型コロナウイルスのパンデミックの影響により、世界中で経済活動が著しく低下し、失業者の増加がますます明るみに出てきています。

5月上旬、米国では「新型コロナウイルス危機の結果、今後10年間で最大7万5千人がいわゆる『絶望死』する可能性がある」という予測が発表されました。

今回ご紹介しているこちらの記事によると、南アフリカでは、全国的なコロナウイルスの封鎖とその影響により、うつ病、不安、自殺念慮が高まっていることから、3月27日の封鎖の開始以来、南アフリカうつ病不安グループ(SADAG)への相談電話の件数が、平時に比べ2倍以上増えているということです。

相談内容の主な内容は、

・不安またはパニック:不安に圧倒されている、安心感がない。

・経済的不安:お金に関するプレッシャーまたはストレス、仕事を失い、家賃を支払うことができない。

・うつ病:最初の3週間のロックダウン、次に延長、次にレベル4のアラートによって不安が誘発されてしまったことが原因とされる。

という内容で、日々相談が持ち掛けられるということで、今後ますます増えてくるであろう自殺に関しても大きな懸念があるとしています。

一方で、普段から人口当たりの自殺率が高いと言われている日本ですが、コロナ渦では例年と比べ、自殺率は2割も減少したといいます。

関連記事の中でご紹介しているニュース記事によると、日本では、戦争や災害など多くの人々に甚大な被害がもたらされたタイミングでは、自殺率が下がるという統計があるそうです。

さらに、日本の場合は、生活保護受給者の自殺率は全体の2倍以上で、経済問題がもたらす生きづらさは自殺に関係している。という背景がありますが、日本人男性の多くが失業状態にあった第2次世界大戦直後の自殺率は現在よりはるかに低かったといいます。当時は失業をしていても「他人に合わせる顔がない」状態ではなかったためであるということから、「自殺者を増加させるのは物質的困窮よりも社会的な役割の剥奪なのである。」ということを言及している学術書が紹介されています。

世界中でパンデミックをもたらした新型コロナウイルスですが、その影響による人々の受け取り方は国や地域によって違いがあるのかもしれません。この問題を画一的にとらえずに、それぞれの人々の社会や暮らしにフォーカスを当てて情報を得ていきたいと思いました。

関連記事:

  1. コロナ禍で自殺者が約2割減った理由 「絶望死」を増やさないために社会は何をすべきか-Link