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アフリカ・ルワンダ オフショア開発 / 進出支援コンサルティング
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みなさま、こんばんは!

いかがお過ごしでしょうか。

さて、本日は米国発ベンチャーキャピタルの動向に着目することで見えてくるアフリカ大陸に対する投資機会の可能性、およびアフリカ大陸に対する投資でも上位にくるフィンテック市場においてCovid-19のもらたしている影響について考察している2つの記事をご紹介いたします。

ぜひお楽しみください!

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記事1:『Cross-Border Investing: The Most Active US-Based VCs in Africa』

記事リンク:https://weetracker.com/2020/05/25/cross-border-investing-the-most-active-us-based-vcs-in-africa/

内容と背景:

本日はまず、米国発のベンチャーキャピタル(以下:VC)の動向に着目しながらアフリカ大陸に対する投資の可能性について解説している記事をご紹介します。

従来よりVCは信頼のおけるビジネスや地域に資金を投入する一方、新興市場のビジネスに関しては懐疑的であるがゆえに積極的な投資は行わない傾向にありました。10年ほど前まではごく少数の営利目的である初期段階の投資家がアフリカ大陸に可能性を見出しているのみで、競争の場は非営利団体と社会的な投資家にありました。

しかし近年、国際金融機関(IFC)に代表される開発金融機関が主導する専門資金の到来により大陸全体で初期段階の企業融資のみならず特に米国発である一流のVCからの投資も徐々に見られるようになってきました。同様に大陸における技術革新もVCのアプローチ方法を再定義し続けています。

その中で、今回ご紹介する記事が行った約30ヶ月にわたるスタートアップの資金調達データの分析によると、少なくとも51の取引が米国発のVCによるものであり、アフリカ大陸の投資動向における米国発VCの貢献度の高さがうかがえる結果となりました。

2018年から2020年にわたるここ2年間の取引の動向をみると、VCと他の投資企業間での共同投資が多く、21の米国発のVCが少なくとも42の共同投資に参画しておりその価値は合計2億3,400万ドルにも及ぶようです。業界別にみるとフィンテックが最も多くの取引数を記録し、ロジスティクスとサプライチェーン、ヘルステック、eコマースと続く形となっています。また、投資段階だとシードレベルにおいて最も多くの取引数がみられ、その合計額は全体の投資額の17%にも及んでいるようです。

記事後半では米国に拠点を置くVCがアフリカ大陸への投資に対してとっている様々な運用モデルに関して事例を交えながら詳しく解説されています。さらに最後にはアフリカ大陸にて最もアクティブである25の米国発のVCのリストが掲載されています。

アフリカ大陸における起業家空間はまだ初期段階にありますが、可能性に満ちています。近年はそのビジネス環境やスタートアップエコシステムの急速な変化により国境を超えたVCの進出が増加すると予想されています。アフリカ大陸での投資をお考えの方はぜひ記事本文もお読みください。

関連記事:

  1. 「Partech Africa publishes its annual report: African tech start-ups reach a new symbolic milestone with US$ 2.02 Billion raised in equity funding, representing 74% YoY Growth」LInk
  2. African Startups Raised $1.34 Billion In 2019Link

記事2:『Africa’s Busiest Fintech Market Has A Pandemic Problem』

記事リンク:https://weetracker.com/2020/05/12/covid-19-impact-on-african-fintech/

内容と背景:

続いては今アフリカで一番注目されていると言っても過言ではないFintech分野からのニュースです。

前の記事でもありますようにアフリカに集まった投資金の大部分がこの分野のスタートアップ企業や、皆さんもご存知のM-Pesaを代表とした企業に投資されているのですが、この記事では、このパンデミックの環境がこのFintech市場に何らかの課題を突きつけるのではと書かれており、それはFintechの中でも分野によって違うだろうとしています。

先にアフリカでのFintech分野に関してですが、アフリカでは現在400ものfintech関係企業があると言われており、この分野をケニア、ナイジェリア、南アフリカがリードしていると言われています。ケニアはやはりM-Pesaが中心的存在で、2007年以来、当時27%だったfinancial inclusion(金融包摂)を83%にまで引き上げたと書かれており、ナイジェリアを中心とした西アフリカ地域では、銀行を介した金融包摂と比較した場合、Fintechを活用している人は、実に13倍にもなるようです。

また、データとしてアフリカ大陸では約66%が銀行への口座を持たないなど、unbankedというカテゴリーに属するため、それらの人たちに対してソリューションを提供して行くという意味でも今後もこの分野からは目が離せないようです。

そして、前途で述べたように、本題のこの分野が今回のパンデミックによって課題が突きつけられる可能性があるというところに入りましょう。

課題を突きつけられるのは、ローンなどの提供を主な主戦場としている企業、そしてpeyment serviceの提供をしている企業のようです。前者は、借り入れしたローンの支払い能力の低下が課題を引き起こし、後者はこの分野への融資・投資不足によりインフラの整備あるいは拡張、そして他国への展開など、お金の動きを作り出す方法がリミットされてしまうことが課題になるのではと書いています。

しかし、課題と機会は表裏一体ともしており、多くの政府がオンラインでの支払いを推奨した事実が現段階では多少なりとも、そしてこのオンラインでの支払いなどの活用がこの期間を経て定着した場合には将来的に大きな可能性をもたらすのではなかとしています。

今回の記事はPwC社の発表したレポートを元に書かれているようで、もしさらに内容をご存知になりたい場合はこちらも合わせて読まれるといいのではないかと思います。

関連記事:

  1. 「Changing competitive landscape: Fintech and the Banking sector in Nigeria」Link
  2. 「How Africa’s promising startup landscape survives in a post-Covid-19 economy」Link(読むには会員登録が必要です。)