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アフリカ・ルワンダ オフショア開発 / 進出支援コンサルティング
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みなさま、こんばんは!

さて、本日はロジスティクス分野から最新の話題をお伝えいたします。

今年7月18日からケニアとタンザニアにて運用が開始されている貨物およびドライバーのオンライン追跡システムですが、実はパイロット期間の短さなどを理由に運用が時期尚早であると主張する両国の不承により実装が難航しているのです。

今回は関連記事を用いながら、タンザニアとケニアの最近の貿易および物流面での関係性にも触れていますので、最後までぜひお読みください!

明日もお楽しみに!

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記事1:「EACにてオンライン物流追跡システムの実装が難航中」

『EAC ELECTRONIC LOGISTICS TRACKING SYSTEM HITS A SNAG』

記事リンク:http://venturesafrica.com/eac-electronic-logistics-tracking-system-hits-a-snag/

内容と背景:

本日はEAC域内でのロジスティクス分野に関する話題をお伝えいたします。

先月、7月18日からケニアとタンザニアにて運用が開始されている貨物およびドライバーのオンライン追跡システムですが、パイロット期間の短さなどを理由に運用が時期尚早であると主張する両国の不承により実装が難航しています。

このオンライン追跡システムは、国境でのコロナウィルス感染検査の高速化を実現し、感染拡大を防ぎながら国境を超えた移動を促進させることを目指して東アフリカ共同体(以下:EAC)が両国の主要な貿易港、ダルエスサラーム港やモンバサ港などを経由する貨物ドライバーを対象に先月導入を開始したシステムです。

このシステムはトラック運送会社がユーザー情報をプラットフォームにアップロードし、各車両のドライバーや乗務員がアクティベートされたAndroidアプリをダウンロードすることで使用できるようになります。国境での検査後、プラットフォーム上でユーザーのテスト結果が共有されることでEAC域内の保健当局などに情報が提供されます。また、テスト後に発行される電子医療証明書は14日間有効であり、国境を超えてオンラインでアクセスできる仕組みとなっています。

7月の運用開始はルワンダのポール・カガメ大統領、ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領、ケニアのウルフ・ケニアッタ大統領、南スーダンのサルバ・キール大統領の4名が5月12日にオンラインで行われたEACの会議にてその導入に同意したことを受けて実施されたものですが、実はタンザニアの首都ドドマとケニアの首都ナイロビそれぞれの港湾当局と運送業者協会の不承によりその実装が難航しているのです。

ケニア運送業者協会の執行役員であるDennis Ombok氏は大多数のドライバーがシステムに精通しておらず、スマートフォンを効果的に使用できないドライバーさえいる中、1週間のパイロット期間のみで運用を開始するのは時期尚早であると主張しています。

さらにタンザニア港湾局の局長であるDeusdedit Kakoko氏はOmbok氏同様、計画された新システムのもとで港湾事業に従事する準備はまだできていないと述べる一方、明らかに時期尚早である運用開始はケニア政府のアイデアであったと主張しています。

実は関連記事に載せている記事に詳しく述べられているのですが、コロナウィルスへの対応措置をきっかけに物流および貿易面での両国の関係性は以前より決して良好とは言えない状態となっているようなのです。

5月から両国間で運転手が陰性であると示す通関証明書をもつ貨物トラックに制限をかける形で国境を超えた通行が行われている中、6月初めにはケニア当局は有効な通関証明書がないことを理由にタンザニアから来たトラック運転手がNamanga国境地帯を横断できないようにする措置をとったのです。さらにその後、これに対抗する形でタンザニアもケニアから来るトラック運転手に対して一部通行制限を実施したのです。

東アフリカではコロナウィルス感染拡大防止のために定められている国境での感染テストの義務化がスムーズな長距離輸送を阻む障壁となっており、特にタンザニアとケニアでは互いに対する不信感から来る関係性悪化によりその状況には改善の余地があると言えます。そんな中今回導入されたオンライン追跡システムは感染拡大の防止はもちろん、物流効率向上の面で期待が集まっているシステムの一つです。

ケニア運送業者協会のOmbok氏は、運用が成功すれば大きな効果に期待できる一方、プラットフォームのスムーズな導入が実施されなければ混乱が生じ、システム自体がスムーズな長距離輸送を阻む新たな障壁となりかねないと不安の色を示しています。

未だITリテラシーの平均値が低いアフリカでは、新たなシステムを導入する際、ユーザーのITリテラシーレベルにきちんと寄り添い、適切な準備期間を設けることが重要であると言えます。今後ケニアとタンザニアにてこのオンライン追跡システムが新たな貿易障壁とならずにスムーズに実装されるのか、注目したいところです。

また末筆にはなりますが、今後のタンザニアとケニア両国の物流および貿易面での関係性にも注視していきたいところです。

関連記事:「Tanzania: Border Tension Resurfaces…as Tanzanian Truckers Are Blocked From Crossing Into Kenya」Link


*この記事は弊社が主体となって運営する、日本・ルワンダビジネスコミュニティ(https://www.japan-rwanda.biz)に投稿した記事と同様の内容となります。